認証

認証とは?

認証とは、ある行為または文書が正当な手続・方式に従っていることを公の機関が証明することです。公証人が行う私署証書(私人が作成し、署名、署名押印または記名押印(以下「署名押印等」という)した証書。私文書)に対する認証には次のようなものがあります。

1.定款の認証

定款とは、法人の目的、内部組織活動に関する根本規則であり、株式会社、一般社団法人及び一般財団法人等の定款については、公証人の認証を受けなければ効力が生じません。 

2.私署証書の認証

A.私文書の署名または記名押印の認証

公証人の認証は、私署証書の署名押印等の真正(署名押印等が、その作成名義人によってなされたこと)を公証人が証明することであり、これにより文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたことが推定されることになります。

 

 

B.宣誓認証

宣誓認証は、公証人が私署証書に認証を与える場合において、その面前で当事者が証書の記載が真実であることを宣誓した上、証書に署名押印等をし、または証書の署名押印等を自認したときに、その旨を記載して認証する制度です。宣誓認証を受けた文書を宣誓供述書といいます。

 

宣誓認証は、公証人が作成名義人に「証書の内容が虚偽であることを知りながら宣誓した場合には10万円以下の過料に処せられる」ことを告知した上で付与されるものであり、証書に記載された内容の真実性を担保しようとするものです。

 

 

C.外国文認証

外国文認証とは、外国において使用される私署証書で、外国語または日本語で作成され署名押印等のある私署証書に対する認証です。

 

文書が海外の相手方に問題なく受け入れられるには、その文書が真正に作成されたことが相手方において容易に確認できなければなりません。その確認手段として考え出されたのが、まず、文書に記載された署名の真正を公証人などの公的機関が証明し(認証)、次いで、その公証人等の証明者の署名や公印を別の公的機関が更に証明するという制度です。前者の署名の認証をノータリゼイション(Notarization)、後者の他の公的機関による証明をリーガリゼイション(Ligalization)と呼ぶことがあります。

 

公証人の認証を受けた文書は、当該公証人の所属する法務局長の証明を経て、外務省領事部で公印証明を受けた後、仕向け国(当該文書を提出する相手方のいる国)の駐日大使館(領事館)で領事認証を受けるのが原則です。

 

この手続きを簡略化するものにハーグ条約があります。ハーグ条約加盟国で行使する文書については外務省の公印証明(アポスティーユ)の付与を受ければ、在日の当該国の領事認証は必要ありません。

さらに、東京公証人会・横浜公証人会では、外務省に出向く必要がない、すなわち、加盟国向けの場合には、公証人の認証後、直ちに仕向け国に提出できる、非加盟国の場合にも、公証人の認証後、駐日大使館(領事館)に行けばよいという簡便な取扱いが行われています。

 

3.電子公証

電子公証制度は、平成14年度からスタートし、それまでは紙の文書に対して行ってきた私署証書の認証や確定日付を電磁的記録(電子文書)にもできるようにした制度であり、政府の推進するE‐Japan(電子政府)の実現を目指す公の制度の一環をなすものです。

 

電子公証で必要とされる電子証明書は、当初は商業登記制度に基づく電子証明書に限られていましたが、平成16年からは、民間認証機関の発行する個人の電子証明書、平成19年からは公的個人認証法による電子証明書(住民基本台帳の情報に基づくもの)も利用できるようになりました。

 

現在、電子認証のうち、株式会社の電子定款が最も多く利用されています。これは紙による定款の場合に義務付けられている4万円の収入印紙の貼付が、電子定款では免除されていることが大きく貢献しているようです。

私署証書の認証・宣誓認証